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サンプル靴の製作レポート 第12回

前回は、だし縫いまで進みました。

今回は、ヒールを取り付ける作業からです。


私たちシューリパブリックでは、歩く際の接地時の衝撃をできるだけ少なくするために、カカトの積み上げにはレザーボードを使っています。

一般的に革靴とい言えば革の積み上げが普通なのですが、革を使うとちょっと硬くなってしまって衝撃が直接足に伝わってきてしまいます。

そんな理由から、レザーボードを使うようになりました。



写真の左がダイナイトのトップピース、そして右がレザーボードの積み上げです。

トップピースと積み上げを接着する際に、合成ゴムには接着剤がちゃんと効くように表面をバフしたのちにプライマーという薬品を塗ります。



このあたりは、全て接着です。



積み上げを接着して、更に接着面をRに掘った状態です。



この作業を、「オワンを掘る」と言いますが、慣れるまでなかなかピタリと合いません。

私もこの仕事を始めたばかりの頃は、この作業に何時間もかかっていました。

そして、ヒールを取り付けます。



とりあえず、これも接着です。

そして、ヒールの余分な部分をトリミング。



これで、形はほぼ完成です。

次に、コバにインクを塗ってコテを当てます。



これだけで、だいぶ靴らしくなりました。

ラストを抜いたら、ヒールをよりしっかりと固定できるように、内側からクギを打ちます。



基本的に、これは10本です。

インソックを準備して、靴の中に敷いて・・・



アッパーの仕上げをして、靴ヒモを通したら、完成です!



横からも・・・



更に斜め後ろからも・・・



こっち側も・・・



無事に完成して良かった・・・


早速このブーツを少し慣らしたのちに、先日の新潟出張に履いて行きました。

じつは、今回のブーツは今までのモノとちょっとだけ仕様が異なっています。

それは、インソールの革の厚さです。

標準仕様では、6ミリ強なのですが、今回のモノは8ミリを超えています。

ただ、厚い革ではありますが、とてもしなやかな革なので、おそらく問題ないだろうという推測の下に実験をかねて使ってみたのですが、思った通りとっても快適、というよりも思った以上に快適です。

歩いた感触も、非常に懐の深いタッチです。

今のところ、見た目でわずかに高さを感じるほかは、歩いていて全くデメリットは感じられません。

ということで、今後オプションとしての採用も考えてみます。


トータルで5日間の出張でしたが、そのうち2回ほど履きました。

ちょっとだけですが、良い味が出てきたように感じます。



ギブソンブーツって、やっぱり履き込んでいくと格好良くなっていきますよね。


靴のスペック

デザイン: ギブソンブーツ(パンチドキャップ付き)

レザー: キップ(BOXTER made in Italy)

インソール: 栃木レザー製 8ミリ厚ヌメ

ウェルト: 平ウェルト

ソール: ダイナイトソール

ラスト: SRC(サイズ調整ナシ *注)

製法: ハンドソーンウェルテッド


*注・・・上記のラストに関してサイズ調整がされていないのは、自分で自分の足を採寸することができないためです。お客様の靴を製作する際には、左右の足それぞれに合わせて調整をさせていただきます。



お知らせ  12月8日(土)9日)は、恵比寿のりファーレさんにて恒例の採寸相談会&オーダー会のイベント開催です。みなさま、お気軽にお越し下さい。

お知らせ◆ 12月16日(日)17日(月)は、神戸三宮のSUNさんにて恒例のイベント開催です。お近くにお住まいの方や関西圏にお住まいの皆様、この機会にぜひお越し下さい。


シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。

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サンプル靴の製作レポート 第11回

前回は、ソールを仮どめしてトリミングまで進みました。

今回は、だし縫いからです。


だし縫いとは、ウェルトとソールを縫う作業のこと。

ハンドメイドの中でもフルハンドと呼ばれるものは、この作業を手作業にておこないます。

一方、私たちシューリパブリックでは、ウェルトを縫う時は必ず手縫い(ウェルトを手縫いでかける製法をハンドソーンウェルテッドと呼びます)ですが、このだし縫いに関しては機械を使って縫っています。


だし縫いを手作業でおこなうメリットは、機械では縫えないような細かいピッチで縫うことができる為、見た目にも非常に繊細でいわゆるハンドメイドらしい靴ができること、そして土踏まずの部分をぐっとえぐり込んだベヴェルドウェストという仕様もキレイに決まることなどがあげられます。

それに対し、デメリットもあります。

それは、機械では片足を縫うのにほんの十数秒に対して、手縫いでは糸作りまでを含めると、片足につき軽く1時間を越えてしまうため、コスト的(数万円ほど)に高くなってしまうこと、そして合成ゴムのソールを手縫いで縫うことはほとんど不可能なこと、更に糸の締め具合に関しては機械で縫った方が十分な強度が出て安定している(と私は思います)ことなどがあげられます。

先述のベヴェルドウェストに関しては、シューリパブリックでは歩くための靴を考えた時に、靴に十分な強度及び剛性が得られない為、この仕様はおこなっていません。

だし縫いを機械でやるにしても手縫いでやるにしても、それぞれ一長一短ですので、それはどちらが良いということではなく、目的に合わせて選べばよいことなのです。

私たちシューリパブリックでは、快適に歩くための靴を適正な価格で提供するという目的を考え、だし縫いは機械としているのです。


そんなウンチクの下に、だし縫いが無事終わりました。



ソール側に見えるのが下糸、そしてウェルト側に見えるのが上糸になります。

下糸には、松脂が塗ってあって、糸の耐久性を上げています。



写真は、つま先の部分です。

機械で縫った時のピッチ(針目の細かさ)は、もっと細かくすることもできます。

よほどの芸術品を作るのでなければ、全く問題ありません。

むしろ、合成ゴムのソールを使った場合、あまり細かすぎると割れてしまう危険性もあるため、これくらいが好ましいと思います。


モノづくりのこだわりって、作り手の為のこだわりで終わってしまうことがあります。

本来であれば、使ってくださるお客様の為にこだわって良いモノを作るべきなのですが、それが作り手のプライドの為のこだわりとなってしまうことすらあります。

私たちのこだわりは、何かのスペックにおいてスゴイことをするのではなく、日常に履く快適な靴としてコストパフォーマンスに優れ、お客様に納得してご愛用いただけるような靴を提供することです。

道具として、使ってその価値を実感していただけるような靴でありたいと考えています。


だいぶ完成が近くなってきました。

続きは、また次回に。



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| またまた(ほぼ)全行程トライアル | 21:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
サンプル靴の製作レポート 第10回

前回は、ウェルティングまで進みました。

今回はトリミングからです。


ハンドソーンウェルテッドの靴を作る際には、トリミングという作業が何度も必要です。

ラスティングのあとに余分なつり込みしろを落とす時や、今回のウェルティングが終わった時に更に余分な部分を落とす時、更にこのあとにもトリミングをしなくてはいけません。

トリミングができたら、シャンクを取り付けます。



まず、シャンクとは何かというと、言ってみれば靴の背骨のようなモノです。

靴に背骨というのも変ですが、シャンクを入れることで靴がしっかりして、長く歩いても疲れにくくなります。

靴は、人の体重がずっしりとかかってきますので、想像以上の強度が必要です。

その強度を出すために、このようなモノを入れるのです。

シャンクは、上の写真のような形をしていて、鋼のような素材です。

それを接着剤でしっかりととりつけます。

鋼のような素材を使っているのは、じつは非常に理にかなっています。


自転車に乗る方は、フレームの素材をイメージしてみて下さい。

この鋼は、自転車でいえばクロモリのフレームのようなモノです。

クロモリは、硬い金属でありながら、路面からの衝撃を適度に吸収したり分散したりしてくれます。

それに対してアルミのフレームは、ほとんどしなることがないのでそのまま衝撃が伝わってきます。


ということで、ただ硬いだけではなく適度にしなったり反発することで、衝撃をうまく逃がすような鋼のシャンクは、非常に適した素材なのです。


このあと、ボトムフィラーをセットしたらソールを貼ります。



今回もダイナイトです。

写真を見ていただくと、ダイナイトソールがウェルトよりも大きいことがわかりますね。

そうです、ここでまたトリミングです。

余分な部分をキレイにトリミングします。

私は、大まかにカッターナイフで落としてから、粗めのグラインダーで形を整えます。

すると、こんな感じになります。



ここまでくれば、次はだし縫いです。

だいぶ靴らしくなってきましたね。


続きはまた次回に。



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サンプル靴の製作レポート 第9回

前回は、ラスティングまで進みました。

ラスティングが終わったら、しばらくそのままの状態で靴を寝かせます。

というのも、ラスティングが終わったばかりの靴はまだまだ革が落ち着いていなくて、この状態でいじってしまうと、しっとりとした履き心地でパリッとした仕上がりにならなくなってしまうのです。

なので、最低でも4〜5日は放置します。


そして、その放置の後に、トリミングという作業に進みます。

トリミングとは、ラスティングの際に靴の下側につりこんだつり込みしろの余分な部分を落とす作業です。

つり込みしろは、つま先以外はだいたい20ミリくらいを考えていますが、それがそのまま残っていてはウェルティングの際にウェルトをかける位置(リブからの距離)がわかりにくいですし、つま先やカカトなどのカーブの部分につり込みしろの革が必要以上に残っていると、大きなシワが出てしまうので都合が良くないのです。

ということで、リブが見える程度にトリミングをします。

トリミングが終わったら、ラスティングで打ち付けたクギを内側に倒します。

このクギを倒すことが、革を引く2回目となります。

もし、ラスティングの直後にこのクギを倒してしまっては、増し引きになりません。

ラスティングを終えて、数日経って革が落ち着いたところで釘を倒すことで、増し引きになってアッパーの革がパリっと良い感じに仕上がるのです。


トリミングの次は、ウェルティングです。

ウェルティングとは、ウェルトを縫い付ける作業のことです。

ハンドソーンウェルテッドという製法は、手縫いでウェルトを縫い付けるところから名付けられています。

それほど大切な作業になります。


ウェルティングの際には、ウェルトを縫い付ける糸が必要になります。

9本よりの麻糸なのですが、糸自体の耐久性を増すため、そしてしっかりと締めるために糸に松脂ベースのワックスを塗ります。

塗るというより、しごいて染み込ませるというのが正しいのかもしれません。

この作業は、かなりの重労働です。

ワックスを塗って、布でしごいて、そして表面にロウをコーティングします。

その作業の写真は、過去にこのブログにアップしたことがるので、今回は省略します。


糸ができたら、ウェルティングです。

糸の先がそのままでは縫えないので、糸先にブリストルという針を付けます。



これがブリストルです。

針に関しては、作り手さんによってそれぞれですが、イギリスではこの方法が多いようです。

針として使っているのは釣り糸です。

昔は猪のいかり毛を使っていたそうですが、最近では入手が困難であることなどの理由で、このようなものを使うようになったようです。

糸の先を細くして、先ほどの松脂ワックスを塗って、それをクルクルと釣り糸に巻きつけて、一度糸をくぐってロウを塗って完成です。


では、ウェルティングを始めます。

ウェルティングは、まずすくい針で下穴を開けて・・・



外から内に針を通して・・・



今度は内から外へもう1本の針を通し・・・



ギュッと糸を締めます。



これをぐるりと一周すると、ウェルティングの片足が完成です。


そして、両足のウェルティングが終わったところです。



ウェルティングは、キレイに縫ってあることが大切です。

ピッチが揃っていて、ラインがよたっていなくて、テンションが一定であることです。

キレイに縫ってあるか否かは、パッと見たときにすぐにわかります。


なぜ、見えない部分なのにウェルティングがキレイである必要があるのかというと、ウェルトは力がかかる部分なので、ピッチがバラバラだったり、ラインがよたっていたり、テンションが一定でないようだと、外的な衝撃に対してある部分が弱くなってしまって、十分な強度が出ないのです。

かつて私の先輩が言っていたのですが、靴作りの上手な人が作った靴は、ピッチもラインもテンションも揃っていてとても美しいのだそうです。

キレイに作ることは、綺麗に作ることだけが目的ではなく、強度を上げるためでもあるのだそうです。


では、続きはまた次回に。




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サンプル靴の製作レポート 第8回

前回はミシンまで終わりました。

これでアッパー(縫製が終わった上モノ)とインソールの準備ができたので、ラスティングに進みます。


ラスティングとは、つり込みのこと。

まずはアッパーにトーパフ(つま先の芯)とスティフナー(カカトの芯)をセットします。



左側がトーパフで、右側がスティフナーです。

形が違うのは当然ですが、素材も違います。

トーパフの目的は、つま先を守ることと靴の形を保つこと。

そして、トーパフは基本的に直接足に触れないので、薄くて硬い素材を使います。

それに対してスティフナーの目的は、カカトをしっかりとホールドすることです。

つまり、靴下を介してではありますが間接的にでも足に触れるので、あまり硬すぎる素材では足を痛めてしまいます。

なので、シューリパブリックでは柔らかい素材を重ねて使って適度の柔らかさと強度を両立させています。


これらの芯をセットして、さぁラスティングです。

ラスティングは、このうまい下手で出来上がってくる靴が大きく異なります。

まっすぐにキレイにつれているかということばかりでなく、靴が型崩れしないような作りになっているか、ラストにしっかりとついているか、足をしっかりとホールドできるか、などなど・・・

とにかくこの作業も靴作りの要のひとつと言えます。

なにせ、ラスティングで引く方向を間違えてしまうと、全くダメな靴になってしまうことすらあるのですから。


まず、つま先を決めます。



この次は、作り手さんによってどの順番で仮留めをしていくかが異なりますが、私は昔のイギリスのスタイルに則って、つま先のほかに8か所+カカトが落ちてこない為のクギ1本を打ちます。

その時に使うクギは、このような19ミリの細いモノです。



全体の仮留めをしてアッパーの位置が決まったら、しっかりと引いて細かいピッチでクギを売っていきます。

これを一周すると、ほぼ靴の形になります。




ところで、私はラスティングの時には必ずかつて先輩に教わったことを思い出します。

ラスティングは、力を抜いて強く引く・・・

矛盾しています。

ラスティングは、ただバカ力で引いてもダメで、革の状態を手のセンサーでしっかりと確認しながら、靴として良い状態になるように最適な力で引くということだと思います。

結局、かなりの力で引くことになりますが、それは単なるバカ力とは違います。

そしてもうひとつ、靴を作る時には、アッパーの革は3度引かれます。

1度目は、今回のラスティングの時。

2度目は、この仮留めのクギを内側に倒す時。

そして3度目は、ウェルティングの時。

これもその先輩に教えていただきました。

イギリスでは、靴はどうしてそのような作り方をするのかをちゃんと理論的に教えてくれます。

この3度引くことも、ちゃんと3度に分ける理由があるのです。

たとえば、先ほど書いた仮留めのクギ合計9か所に関してもちゃんと打つ順番があって、その通りに打って行くととてもキレイに出来上がります。

それにも理由があり、ちゃんと理論的に教えてくれます。


ただ単にキレイな靴の形をしたモノを作るのではなく、快適に歩くためのツールとして使い勝手を考えて作られたモノが良い靴です。

靴つくりは本当に深く、その深いところが靴つくりのオモシロイところだと思います。


では、続きはまた次回に。


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サンプル靴の製作レポート 第7回

前回は、クリッキング(革の裁断)まで進みました。

今回は、その先のスカイヴィングからです。


スカイヴィングとは、革の端を薄く漉くことです。

その目的は・・・

ヽ廚鮟鼎佑橡イΔ箸に、下側の革の端が厚いままだとその段差が表に出てしまって見た目がキレイでないので、下側に来る革の端を薄くすきます(underlayといいます)。

革の端を折り込むような場合は、厚いままだとキレイに折れないので、折りやすいように薄く漉きます(beadingといいます)。

ちなみに、昨年イギリスのノーサンプトンミュージアムに行った時に、大昔(1930年ころ)のスカイヴィングマシーンを見かけました。

それが、驚くことに構造が今の機械とほとんど変わらなかったのです。



今でも、ほぼこんな感じの機械を使っています。


スカイヴィングが終わったら、次はクロージング(ミシン)です。

クロージングには、先程書いたビーディング(革の端を折る作業)も含まれます。

このパーツは、端がビーディング仕様となっているので、折りやすいように薄く漉いてあります。



ビーディングの部分に接着剤を塗って・・・



手で折っていきます。

イギリスでは機械で折るのが普通でしたが、日本ではあまり普及していないようです。

写真では、私が左手で折っていますが、これはカメラのシャッターを押すために右手を使っているのではなく、一般的に右手にハンマーを持って左手で折ります。

逆でも構いませんが、要は両手を使って折っていくのが効率的であるということです。


カーブのところは、どうしても革が集まってしまうので、キレイにギャザーにします。



これをハンマー(ラスティング用のモノよりもちょっと軽いヤツ)で叩くと、表側はキレイなカーブになています。


クロージングは、ただ単にミシンをかけるだけではなく、それに関連する作業が伴います。

アイレットも打ち付けます。

そして、メインのミシンはこんな感じでかけます。

靴専用のミシンで、基本的には、ジーパンの裾などを縫うような工業用のミシンなのですが、下糸が入っている部分がちょっと違っていて、下の写真のような形状をしています。

これは、立体的なモノを縫うのに適しています。



通常は、手元を照らす照明を付けていますが、今回は撮影のため消しています。


そうして出来上がったのがコチラです。



ストレートキャップに親子穴を開けたギブソンブーツです。

なんとなく、靴の雰囲気が出てきましたね。


では、続きはまた次回に。



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サンプル靴の製作レポート 第6回

今回は、アッパーの方を進めます。

アッパーに関しては、パターンが完成していますので、そのパターンに基づいて革を裁断します。

革を裁断する作業をクリッキングと言います。


さて、今回はこの革を使うことにしました。

「ボクスター」というイタリアの革です。



シューリパブリックで靴をご注文されたことのある方でしたらおわかりになるかもしれませんが、この雰囲気は「コルドバ」に似ています。

厚さもコルドバとだいたい同じくらいですが、こちらの方がちょっとだけ表面に加工が施してあって、いくらかツルンとした感じになっています。


クリッキングの際には、どのパーツどの部分で裁断するか、どっち向きに裁断するのかを決める必要があります。

そもそも、革には方向性があって、伸びやすい方向と伸びにくい方向があります。

靴の裁断は基本的に「tight to toe」という法則があり、それは靴のつま先⇔カカト方向に伸びないように裁断するという意味です。

それは、裁断する時にもし靴の外側がつま先⇔カカト方向にのびてしまう方向で裁断し、内側が伸びない方向で裁断したとしたら、ラスティング(つり込み)の際に靴が曲がってつられてしまいますし、だいたいつま先⇔カカト方向に伸びてしまっては、ラスティングの際にアッパーが前に落ちてしまう(想定以上に前に行ってしまうことを意味します)ことになりかねません。

ということで、「tight to toe」の法則に従って裁断するのです。

では、そのtightのラインはというと、こんな感じになっています。



牛の左側のお尻のあたりで、奥側が背筋、そして手前側が後ろ脚やお腹になります。

そして革の上にペンを置いていますが、このペンのラインの方向がtightの方向です。

このラインに合わせてパターンのつま先⇔カカト方向になるように裁断します。


さらに、革はとても貴重な素材ですので、少しでもムダのないように裁断する必要があります。

ですので、パーツとパーツはできる限り近づけて、捨てる部分をなるべく少なくして裁断します。


表革の写真を撮り忘れてしまったのですが、裏側の裁断前の型入れが終わったところの写真です。



はっきり言って見えません。

ステッチマーカーペンで各パーツの輪郭を描いているのですが、残念です。

左の方にベロのパーツの輪郭がかすかに見えるでしょうか?


ベロの役割は、靴ヒモが足に当たって痛くなってしまうのを防ぐことです。

ですので、できれば革の柔らかい部分でとってあげることで本来の目的を果たせます。

いわゆる、革の悪い部分です。


雑誌などで、ベロのパーツも良い部分を使っているので、そのメーカーは良心的であるようなことを書いていることがありますが、私はそれは違うと思います。

表の革でも裏の革でも、足に当たって痛くならないようにするのであれば、縁と呼ばれるあまり良くない部分の方が適しています。

それに、そのよう部分はつま先やカカトなどのパリッと光らせたい部分には絶対に使うことはできず、唯一使えるのがベロですから、革をムダなく使うという考えからも適していると思います。


ということで、クリッキングが終わりました。



次は、スカイヴィングからクロージングへ進みます。

続きは、また次回に。



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サンプル靴の製作レポート 第5回

前回は、ラストにインソールを打ち付けるところまで進みました。

今回は、インソールにリブ加工を施します。


ハンドソーンウェルテッドの靴は、インソールに直接ウェルトを縫い付けるため、その引っ掛かりとなるリブが必要です。

ちなみに、グッドイヤーウェルテッドの靴はこの工程を機械で行うため、機械で縫えるような構造にするため、高さ6ミリのリブを貼り付けます。

6ミリあれば、機械でも十分に縫うことができます。

ハンドソーン用のインソールでは、リブの高さはせいぜい2ミリちょっとなので、その状態で機械でウェルトを縫い付けるのは、ちょっと困難なのです。

そのあたりが、グッドイヤーウェルテッドとハンドソーンウェルテッドの構造的な違いになります。


余談ですが、一般的なグッドイヤーウェルテッドのリブは、インソールの裏側に接着で付いています。

でも、かつては接着ではなく(接着剤が今ほど高品質でなかったので、強度的に問題があったようです)、インソールの裏側にヒドゥンチャンネルの加工のように斜めに刃を入れ、さらにもう1本ちょっと離れたところに逆向きで刃を入れ、それらを背中合わせに起こしてリブとしていた頃もあったようです。


前回お伝えしたとおり、今回使用する革の厚さは8ミリ超えのとっても厚いモノです。

そのまま使うと、見た目的にも屈曲などにおいても少なからず影響が出るはずです。

なので、通常の仕様の他に、ちょっと工夫が必要になってきます。


ということで、リブ加工をしました。



今回の靴の仕様は、平ウェルトを1週させるタイプです。

リブの形状やセッティングなどに関しては、作り手によって考えがあるため、それぞて異なっています。

写真に矢印も何も書いていないので、どの部分がなんだか説明できませんが、もう少しあとのウェルティングの工程でその理屈がはっきりしますので、その時までもう少々お待ちください。


このインソールが、シューリパブリックのムレない靴の理由のひとつです。

そして、もうひとつの理由は、足にストレスを与えない絶妙なフィッティングです。


では、続きはまた次回に。



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| またまた(ほぼ)全行程トライアル | 20:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
サンプル靴の製作レポート 第4回

サンプル靴の製作は進みます。

前回は、アッパーのパターンが完成しました。

この流れでアッパーのクリッキング(裁断)からクロージング(縫製)へ進んでも良いのですが、今回は先にインソールの製作へ進んでみることにしました。


まず、今回インソール用として使う革です。



牛の革のベンズという部分です。

パッと見た感じで、かなり厚そうです。

通常シューリパブリックがインソール用として使っているのは、厚さがだいたい6.5mm程度のものですが、今回はなんと・・・



8mm超え!

厚いのにもほどがあります。

「厚い革を」とお願いしたら、こんなに厚い革が来ました。

せっかくなので、新しい仕様のテストも兼ねて、この厚さでいってみます。


インソールの製作は、靴の製作において非常に大切な工程のひとつです。

というのも、使用する革で靴の性格が大きく変わってしまいますし、インソールの形状ひとつで靴のソールの形状などがほぼ決まってしまうのです。

ということで、作業がしやすいように大まかに裁断します。



そしてこれを水の中へ。



なぜ水の中へ入れるのかというと、革は水に浸けると柔らかくなることから、インソールの革を柔らかくしてラストのインソールの凸凹に密着させるためです。

インソールがラストから浮いていては、せっかく微調整までやったラストの効果がなくなってしまいますからね。

そして、ビショビショに濡れたままでは作業性が良くないので、表面がうっすらと乾くくらいまで新聞紙の上に放置します。



表面が乾き始めたら、クギを使ってラストの底面に打ち付けます。



ちゃんと密着するように釘は外側に倒し、その他の部分はエア抜きを兼ねて軽く叩きます。


この状態になったら、インソールが完全に乾くまで放置します。

だいたい2日くらいですね。

インソールがラストの底面の形状をしっかりと記憶するまで、ゆっくりと乾燥させます。


参考までに、シューリパブリックの靴が暑い真夏でもムレにくい理由のひとつは、このインソールにあります(もちろんこれだけではありません)。

汗は手のひらや足の裏から多く発散されますが、その汗をしっかりと吸収できる厚いインソールは、ムレない靴であるためには非常に大切な要素です。

ただし、あまりにも厚すぎると歩く際に抵抗になってしまう可能性もありますので、今回はこのあとの工程である工夫をするつもりです。

それに、あまりにも厚すぎると見た目にもエレガントさがなくなってしまいますから、好ましくありません。


では、続きはまた次回に。



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サンプル靴の製作レポート 第3回

前回は、ラストに巻いたテープを平面に変換してテープ型を作るというところまで進みました。

今回はパターンの製作に入ります。


まず、テープ型のoutsideの輪郭を紙に写します。



ちょっと見にくいですが、紙の下側にはoutsideの輪郭を鉛筆で書いたものがあり、紙の上側にはそのoutsideのテープ型が置いてあります。

次に、insideのテープ型の輪郭を写します。



やはりちょっと見にくいですが、outsideとinsideの輪郭がちょっとずれて描いてあります。

そして、これを元にスタンダードフォームを作ります。

スタンダードフォームとは、パターンを作る際の元となるものです。

今回は、ストレートキャップ付きのギブソンブーツを作ります。

加えて、ストレートキャップには親子穴を開けることにします。



スタンダードフォームができました。

イギリスのノーサンプトン周辺では、今回私がやっているように、テープを巻いたラストラストにデザインを描くことなく、スタンダードフォームを作る際にヴァンプポイントの位置やハネのラインを描いていきます。

というのは、これはイギリスの靴作りを象徴しているともいえるのですが、あくまでもちゃんと歩くための靴を作るという考えがあって、長い靴作りの歴史における経験によって導かれた数値に従い、足長に対してヴァンプポイントは何ミリのところ、キャップの大きさはヴァンプから何%、タブは何ミリのところという具合で、主要なポイントの数値が決まっているのです。

なので、ブーツではなくシューズを作るときでも、くるぶしの高さまで数値で決まっているため、特別なケースを除いて失敗となることがないのです。

もちろん、オーダーメイドにおいて特殊な足の方の靴を作るときは、ちゃんとその条件も加味して作ります。

ただし、ラストの形状によって左右されるUチップやウィングキャップのラインに関しては、直接ラストに巻いたテープに描いています。


紙に描いたスタンダードフォームの輪郭を切ります。



スタンダードフォームの中で、ところどころ穴があいていますが、これはステッチマークのラインを描くためのスロットであったり、パーツ単体のラインであったりというものです。

そして・・・



スロットの片方に三角にカットした部分がありますが、これはラインを書くときにスロットのどっち側に合わせて書けば良いのか迷わないために、この三角がある方が使わない方という印です。

そして、スタンダードフォームを元に、各パーツのパターンが出来上がりました。



黄色の紙が表側のパーツのパターンで、オレンジ色の紙が裏側(ライニング)のパターンです。


専門的なことは置いておいたとしても、パターンは靴を作る上で非常に大切なモノです。

とくに、靴のライニングのラインを見れば、その靴がどのようなことを重要視して作られたのかがわかります。

シューリパブリックを含めてイギリスの靴は、耐久性と履き心地を非常に重要視しています。

それ以外の靴では、デザインや見え方を重要視している靴などもあります。

イギリスって、やっぱりそんなところでも質実剛健なんですね。


続きは、また次回に。



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