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新ラストSREでサンプル作成(完成まで)
前回は、ほぼ完成に近いところまで進んでいたように見えて、じつはまだもう少し工程があります。

ヒールをつけてコバを削ったら、ラストを抜いてからヒールをしっかりと固定するために内側からクギを打ちます。



この工程は、作り手によってまちまちなのですが、私はイギリスのグッドイヤーウェルテッドと同じように内側から打っています。

ハンドソーンウェルテッドの靴で、ヒールをい1枚ずつ積んでいってその都度クギやペースという木製のクギを使う作り手もいます。

私がこのやり方を選んだのは、修理をする時に比較的効率よくできることと、ヒールがしっかりと固定されると言うのが大きな理由です。

打つクギは「マシンネイル」というもので、長さは約1インチ、スクリューのクギよりも強力です。

本数は10本、これもイギリスのグッドイヤーウェルテッドに倣っています。

ちなみに、右の方でピンボケで写っているのが専用のハンマーです。

この細いハンマーで打って、さらに追い込みという細い棒でクギの頭をめり込ませます。

クギは履いているうちに少しでも出てきたり、もしくは革のインソールが沈んでしまってクギの頭が出てきたら、カカトにケガをしてしまいます。

なので、クギは十分すぎるくらいに打ちこみます。



そうしたら、インソックを貼ります。

以前にもちょっと書きましたが、インソックの下側にはウレタンのスポンジが貼ってあります。



そのあと、コバにインクを塗り、インクが乾いたらコテを当て・・・、



アッパーの仕上げをして、靴ヒモを通して完成です。


今回は7回に分けて製作の工程をご紹介しましたが、実際にはかなりの時間を要しています。

なにせ、素材が革なのでひとつの工程が終わったら革が落ち着くまで少し放置します。

そうすることで、履き心地が優しいのに型崩れをしない靴が出来上がります。



ギブソンブーツ、格好良いです。



シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。

シューリパブリックのウェブサイトはこちら

今週末のスケジュールはこちら

メールアドレスは info@shoe-republic.com です。







 
| SREでサンプル作成 | 22:44 | comments(3) | trackbacks(0) | pookmark |
新ラストSREでサンプル作成(その7)
前回は、ブリストルを作るところまで進みました。

今回は、その続きのウェルティングからです。

ハンドソーンウェルテッドと言うように、この製法の要はウェルティングにあるといっても過言ではありません。

このウェルティングの出来の良し悪しによっても、靴の完成度が大きく左右されます。

実際、ハンドソーンウェルテッドの靴の良し悪しは(ラストの調整を除いた場合)、パターン、インソール、ラスティング、そしてウェルティングで決まります。

もちろんクロージングや仕上げなどの良し悪しも大きく影響します。

そう考えると、やはりどの工程もとても大切です。



ウェルティングは、ラステッド(つり込みが終わった状態のアッパー)にウェルトを縫いつける作業です。

上の写真で挿しているのがオウル(すくい針)です。

これでブリストルの通り道(針穴)を作ります。

以前に私が使っていた日本製のオウルは、針先のカーブがやや緩やかでしたが、今使っているイギリス製のオウルは結構カーブが急です。

ということは、針の入口と出口が近い距離であっても針を深く挿すことができる為、ギリギリ(若干の余裕程度)のリブの幅でも十分な強度が出せるので、糸の長さを短くすることができ、結果としてウェルトをしっかりと縫いつけて、さらにそれが緩みにくくなります。

理屈の説明が複雑ですね。

針の入り口と出口が遠いと、その分必要な糸の長さが長くなり、糸にかかる負担が大きくなります。

なので、リブとウェルトが近いということは、強度が上がることにつながります。



続けます。

針穴が開いたら、ブリストルをこっち側と・・・



あっち側から通し、



ギューっとしっかり締めます。

ウェルティングは、基本的にこの作業の繰り返しです。

でも、ただ繰り返せば良いのではなく、針のピッチを均一にし、糸を締める力も均一にし、さらにはステッチがキレイに並ぶように縫う必要があります。

なぜなら、この部分には大変大きな力がかかり、もしピッチがバラバラであったり糸を締める力がバラバラであったり、さらにはステッチがバラバラだったりすると、強い部分と弱い部分ができてしまいます。

そうなると、間違いなく弱い部分に負担がかかって壊れてしまいます。

ですので、全て均一にして外的な力は全体で受けとめられるようにしておく必要があるのです。



こんな感じに縫い上がりました。

そうそう、つま先の方に白い糸が絡ませてあるのは、つま先の部分はどうしても内輪差の関係でピッチが細かくなるため、リブが裂けないように補強をしているためです。

そうしたら、シャンクを接着で貼り付けます。



この時の接着剤は、靴を使う時の接着剤の中で最も強力なものを使います。

シャンクが剥がれてはずれてしまっては大変ですから。

さらに、私たちシューリパブリックではツメのついたシャンクを使っていて、シャンクがしっかりと固定されるようにしています。

このあと、コルクのボトムフィラーなど諸々をセットし、



ソールを弱い接着剤で仮留めします。

上の写真は、ソールを仮留めした後に周りをグラインダーでざっと整えたところです。

ソールは大きさが何種類かあって、実際に必要なサイズよりも一回り大きいものを使い、余分な部分をトリミングします。



だし縫い(ウェルトとソールを縫う作業)が終わったところです。



だし縫いの作業は、いつもお世話になっている職人さんのところに持って行って、その場で縫ってもらっています。

私たちの工房にもだし縫いの機械があるのですが、数足を縫う為に機械を細かく調整して松脂のワックスがついた糸を準備して、さらに機械を温めてということをするよりも、仕入れのついでに靴を持って行って縫っていただいた方が合理的です。

ちなみに、だし縫いはアッパー合わせの機械とソールのコバ合わせの機械があります。

機械があるというより、そのようなセッティングにしているといのが正しいですね。

私はソールのコバ合わせで縫っていただいています。

というのも、アッパー合わせで縫うと上から見た時のラストのシルエット(輪郭)そのままにだし縫いがかかってしまい、輪郭とラストの底面の微妙な関係で素敵な雰囲気を出しているのにそれがでなくなってしまますから。

このあとは、ヒールを取り付けます。



ダイナイトのトップピースと、ドイツ製のレザーボードの積み上げです。

一般的に積み上げは革を使っているケーるが多いのですが、私たちシューリパブリックでは機能優先でこのレザーボードを使います。

革との違いは、実際に歩いてみればすぐにわかります。

これだけのパーツですが、しっかりと衝撃を吸収してくれます。



こんな感じになります。



接着面のアールを合わせて積み上げを削って接着剤を塗り、しばし乾燥させます。



そして、熱活性させて貼り付けます。

この作業、かなりの力が必要です。



そして、ヒールの余分な部分をトリミングしたら、なんとなく靴らしくなりました。

続きはまた次回に。



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| SREでサンプル作成 | 22:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
新ラストSREでサンプル作成(その6)
前回は、ラスティングまで進みました。

じつは、このブログでご紹介している工程は結構はしょっていて、目につく工程の間に目立たない下準備がたくさんあります。

それらの工程を全て合計すると250とも300とも言われます。

さすがにそこまで細かくご紹介することはできませんので、私はとりあえずの流れを知っていただける程度にご紹介しています。

なので、次はウェルティングの糸作りです。



糸は麻糸の9本よりを使います。

そして長さは、私の場合だいたい5メートルくらいです。

この糸で方足にウェルトをかけるための糸を作ります。

上の写真は、松脂ベースのワックスを塗り込んでいるところ。

松脂だけでは硬すぎてしまうので、植物油系の油を少し入れています。

ですので、写真のように糸をピンと張って松脂のワックスをこすると、その摩擦熱で松脂が溶けて糸につきます。



やっていることは同じに見えますが、よくよく見てみると持っているモノが違います。

今度は、幾重にも折り重ねて縫った布を持っています。

この布で先ほどの松脂がついた糸を思いっきり早くこすります。

そうるすと、また摩擦熱で松脂が溶けて糸の中に浸透していきます。

と同時に糸が締まってきます。

次に、写真は撮っていませんがロウを塗ります。

このロウは、糸が滑りやすくなるためと、松脂だけではベタベタして作業効率が良くないので、その対策のようです。

そして、この時のロウはビーズワックス(蜜蝋)が最適なのだそうです。

この作業、結構力を使うので大変です。

私はだいたい1度に9足分(18本)を作るのですが、それだけでもうヘトヘトになってしまいます。


糸ができたら、糸の先につけるブリストル(針)を作ります。

昔はイノシシの毛を使っていた為に、ブリストルと呼ぶそうです。

今は、イノシシの毛の代わりに釣り糸を使います。

私が靴の勉強を始めた頃には、イギリスではもうすでに釣り糸を使うのが主流になっていました。



見えにくいですねぇ・・・。

10号の糸ですので、0.5ミリ強の太さです。

この釣り糸が針になるわけですが・・・、

まずは先ほど松脂を塗った糸の先のねじれを戻して引っ張ると、





こんな感じにスーッと抜けて先が細い糸になります。

9本よりですので、2本ずつやれば5回で完了。



こんな感じになります。



そうしたら、先ほどの松脂のワックスをこの糸先に塗ります。



何度も何度も引っ張って糸先に松脂をつけます。



ある程度松脂がついたら細くひねって・・・、



先ほどの釣り糸に巻きつけます。



これだけだと釣り糸がはずれてしまうので、糸の途中をくぐらせます。



そして、しっかりとロウを塗って滑りやすくして、



針先のバリをサンドペーパーで落として、これでブリストルが完成です。

ちなみに、2本針(糸の両端に針をつけて縫う方法)ですので、方足につきこれを2回やります。

これでウェルティングの準備ができました。

続きはまた次回に。



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| SREでサンプル作成 | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
新ラストSREでサンプル作成(その5)
「サンプルの靴を作る時間が・・・」

などと言っていても、実際に時間を作ってやってみると意外とできることがわかりました。

前回は、インソールのリブ加工まで進みました。

今回は、その先のラスティングから。

ラスティングとは、つり込みのこと。

使う主な工具はこのようなものです。



ハンマーとピンサーが2本。

このほかには、19ミリのクギを仮留め用として使います。

ピンサーは、幅の広いものと細いものがあります。

この使い分けはと言いますと、主につま先やカカト周りなど引いてギャザーにしたり細かい作業が必要なところでは細い方を、それ以外の部分では力が入る広い方を使います。

そして、ハンマーは引いてクギで仮留めをしたところを叩いて平らにしたり、つり上がった部分を叩いて馴染ませたりします。


では、まずつま先とカカトに芯をセットします。

つま先の芯(トーパフと言います)の目的は、足の指を外的な危険から守ること。

そして、おまけとして靴の形を保つこと。

一方カカトの芯(スティフナーと言います)の目的は、カカトをしっかりとホールドしてグラつかないようにするため。

カカトの芯がクタクタでは、カカトをしっかりとホールドすることができません。

私たちシューリパブリックでは、トーパフもスティフナーも水溶性の接着剤を使って固めています。

これらを(その3)で縫いあがったアッパーにセットし、ラストに載せて上の写真のピンサーで引きます。

まず、つま先を引いてクギで仮留めをし、その後は決められた順番に仮留めをして、クギ8本ほどで甲にはシワのない状態になります。

そうしたら、細かくクギを打っていきます。

ですが、じつはこのラスティングには非常に大切な決まり事があります。

それは、ピンサーで革を引く時の引く方向です。

甲のシワを消したいからといって、むやみやたらに引いては後々変なシワが出たり、型崩れしやすい靴になってしまいます。

どのように引くかと言いますと、カカトのカウンターポイントと呼ばれる部分から放射状に引くこと。

これだけです。



もっとも間違いやすい土踏まずの部分はこんな感じに、もしくはもっとピンサーを倒しても良いでしょう。

こうして正しく引くことで、正しい力で引いていれば、ムリがなく、足をしっかりとほーるどし、さらに型崩れしにくい靴になります。



そうして、こんな感じにつり上がりました。



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| SREでサンプル作成 | 23:03 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
新ラストSREでサンプル作成(その4)
前回は、クロージングが終わったところまででした。

今回はその続きです。

アッパーの方はとりあえず置いといて、インソールの加工に進みます。


ハンドソーンウェルテッドの靴とグッドイヤーウェルテッドの靴とでは、確かに構造上似ています。

似ていますが、作り方も違えば使う材料の特性も全く異なります。

ハンドソーンウェルテッドは、裏側にリブ加工をするために厚いインソールが必要になり、それに加えてウェルトをかけた時の隙間を埋めるためにやや薄いコルクなどのボトムフィラーをセットします。

対するグッドイヤーウェルテッドは、リブはインソールの裏側に接着するのでインソール自体が厚い必要はなく、ですがリブの高さがあるために(通常は6ミリほど)、コルクの厚さもだいたい6ミリくらいは必要になります。

ですので、ハンドソーンウェルテッドの厚いインソール+薄いボトムフィラー(コルク)という構図に対して、

グッドイヤーウェルテッドの薄いインソール+厚いボトムフィラー(コルク)という構図になるのです。

となると、何事もアッパーグレードを好む日本人としては、グッドイヤーウェルテッドで厚いインソールを使っても良いのではないかと思うかもしれませんが、インソールが厚い=インソールが沈みやすいということと、コルクが厚い=コルクが沈みやすいということで、両方が沈んでしまっては歩きにくかったり靴の中の容積が大きくなりすぎてしまったりするなど、靴として問題が起こります。

ですので、セオリーに則って正しく作ることが必要なのです。


さて、まずはインソールをおおよその形に裁断し、水に浸けて柔らかくし、表面が乾くくらいまで待ってからラストに打ちつけてだいたい乾いたところです。



このやり方はたくさんあって、何が正解ということではなく、作り手のやりやすい方法で目的を果たせば良い工程です。

私は、周囲を19ミリのクギで打ち、そのクギを外側に倒して乾かすという手法を採っています。

その理由は、私の先輩がこのやり方でやっていたのと、いくつか他のやり方を試しましたが、この方法がもっともはやく革が乾燥し、作業効率も良かったからです。

このあと、一度全てのクギを抜き、インソール自体の形を整えます。

というのも、革のインソールはいくらクギで打っていたといっても、乾燥する際に若干の形状の変化があり、ちゃんと乾燥してからでないと落ち着かないのです。

形が決まったら、4本のクギで再度ラストに打ちつけ、リブの加工です。

リブの加工は、靴の出来を大きく左右する大切な工程のひとつであり、リブの位置や深さ、強度などの正確さで、その靴の果たせるポテンシャルが決まってしまいます。



リブの加工が終わりました。

日本の職人さんは、この作業をおこなう際に靴専用の包丁を使います。

私は、ウェルトナイフという特殊なナイフを使います。

これに関しても、何が良いのか悪いのかということではなく、自分が最も効率よく正確に使える工具を選べば良いだけのことです。



インソール、結構厚いですよ。

お客様のお好みや体格、靴の履き方によって若干インソールの厚さや硬さを変えています。

現在のところ、最も厚いもので約7.5ミリほどです。

それにたいして、リブの深さは2.5ミリくらい。

先ごろより使っているイギリス製のオウル(すくい針)のお陰で、深く針を入れることができ、結果的に強度を増すことが可能となっています。

リブの位置も、その針に合わせたもので、通常よりも若干内側になります。

靴は、本当に奥が深いです。



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| SREでサンプル作成 | 23:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
新ラストSREでサンプル作成(その3)
前回はライニングのクリッキングの前で終わりました。

基本的にクリッキングは表の革もライニングも同じ要領です。

そして、こんな感じに上がりました。



続いてスカイヴィングです。

スカイヴィングとは、革の端を薄く漉く工程です。

専用の機械を使いますが、慣れてしまえばとても簡単な作業。

でも、刃がついている機械なので、扱い方を間違えるととても危険なのです。



機械のテーブルの一部で回転式の刃がグルグルと回っているところに革を通し、端を薄く漉きます。

端はどこも同じように漉くのではなく、重なって縫い合わされる部分の下側に来る場所は「underlay」と言って、漉き幅10ミリで端がゼロに、折り込みの部分は「beading」といって同じく漉き幅10ミリで端がゼロになりますが、漉き方の角度が若干違ってやや薄くなります。

そのほか、縫い割り用に漉いたり、切りっぱなしの部分は「rawedge」といって専用の漉き方があります。



こちらは、underlayの部分。



この革は、ちょっと理由があって端をゼロにしませんが、とりあえずはこんな感じに漉きました。


スカイヴィングが終わったら、ステッチマークを付けてクロージング(ミシンかけ)に進みます。



今のミシンはサーボモーターがついているので、まず暴走することもなく、きれいに早く、そして疲れずにミシンがかけられます。



ライニングの余分な部分をトリミングして・・・

アイレットを打って、こんな感じに仕上がりました。



目下、私がイチオシのネイビー色のギブソンブーツ。

完成がとても楽しみです。



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| SREでサンプル作成 | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
新ラストSREでサンプル作成(その2)
前回のアップから2か月近くも経ってしまいました。

今回は、何足かまとめてサンプル靴を作っていますので、その作業によって違う靴が登場することもあります。

前回はパターンが完成し、今回はクリッキングをします。

クリッキングとは、革を裁断する作業のこと。

イギリスではクリッキングナイフという専用ツールを使って裁断をしましたが、その代用品として勧められたのがカッターナイフです。



私もカッターナイフでクリッキングをします。

日本の職人さんたちは、革専用の包丁を使って裁断をすることが多いです。

それに対抗するわけでもなく、あくまで自分のやりやすい方法として、私はカッターナイフを使っています。

それで慣れてしまうと、なかなか変えるのって難しいですよね。

ちなみに、私が思うカッターナイフのメリットは、何と言っても刃の切れ味が落ちたときにポキポキと折ればまた切れるようになるという作業性の良さです。

写真でもわかると思いますが、私は黒刃を使っていて、これは建物の内装を仕上げるクロス屋さんが使うモノだそうです。

焼きが入っている刃なので、切れ味は素晴らしいのですが使い方が粗いとすぐに刃がこぼれてしまいます。

特に、硬い革を切るときには刃先がこぼれがちです。

しょっちゅうポキポキと折っていて、1足分をクリッキングするのに数回折ります。

切れ味が落ちると気分が良くないのです。

刃物はスーッと切れなくちゃ。




クリッキングをする際に、もう一つ大切なことがあります。

それは、革のどの部分にどちら向きにそのパーツを裁断するのかということ。

これを型入れと言います。

革は、ほぼ牛の体そのままの形をしていますので、脇腹とお尻と首の近くでは、革質が全く違います。

靴のパーツのうち、つま先や見える部分にはお尻などの繊維が整ったきれいな部分を使い、ベロなどは脇腹に近いところや首に近い部分を使います。

脇腹やわきの下など、革が柔らかすぎて伸びてしまう部分はもったいないですが使いません。

さらに、革には伸び方向と言って、こちら方向には伸びやすく、こちら方向には伸びにくいという性質があります。

靴は必ずつま先⇔カカト方向に革が伸びないように型入れをすることになっています。

その伸び方向も、革の場所で全く異なりますので、間違わないように丁寧に型入れをします。


うんちくが長くて本当に申し訳ありません。

革のクリッキングはそれくらい深い作業なのです。

そのほかにも、革を少しでも無駄にしないようにパーツ同士をぎりぎりまで近づけて裁断します。

パーツ同士の組み合わせをインターロックと言います。


そうしてクリッキングが終わったものです。



まだ表の革しか終わっていないので、次はライニングのクリッキングです。



コチラがライニングの革。

比較的厚い素上げの牛の革です。

続きはまた次回。



お知らせ

10月3日(土)と4日(日)は、神戸三宮のSUNさんにてイベントを開催します。

お客様の足を計測して足の特徴などをお伝えしたり、どうして既製品の靴を履くとこの部分が痛くなってしまうのかということなどを、計測データを見ながらお話しさせていただきます。

また、ここだけの話ですが、この2日間だけは埼玉の工房でご注文いただく価格にかなり近いプライスで、シューリパブリックのハンドソーンウェルテッドの靴をご注文いただけます。

サンプルの靴も、新入荷のサンプルの革も持っていきます。

関西方面にお住いの方、中国四国、そして九州方面にお住いの方、ぜひ三宮のSUNさんへお越しください。

両日とも13時オープンです。



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| SREでサンプル作成 | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
新ラストSREでサンプル作成
今年新たに製作した新ラストSREを使って、サンプルの靴を作ることにしました。

いくらラストの写真を載せたところで、実際の靴の雰囲気はわかりませんからね。

また靴作りに興味をお持ちの方には、私たちシューリパブリックの靴作りをぜひ知っていただきたいと思います。

このSREというラストは細かい部分で微調整をしていて、そのことが靴にどれほどの影響を及ぼしているのか、実際に履いて試してみるためにも、サンプルの靴は必要です。


さて、今回製作するのは、シューリパブリックの代表的なモデルでもあるギブソンブーツです。

お客様にオーダーメイドの靴のご注文をいただいた際には、まず足を採寸し、そのデータを元にラストを削ったりして調整をしますが、今回はそこまでの工程は省略し、調整なしのラストで製作します。

では、まずパターンを作るためにラストにテープを巻きます。



この巻き方はいくつかのやり方がありますが、私がノーサンプトンの学校で習ってきたのは幅18ミリのスコッチテープを縦横に巻くという方法です。

この方法だとテープをたくさん消費してしまいますが、そのぶん立体を正確に把握することができます。

詳細は、のちほど。

そして、フェザーエッヂ以下の余分なテープを切り落とします。



そうしたら、センターで内側と外側に切り分けて、外側から剥がします。



つぎに、はがしたテープ3次元(立体)のテープを、2次元(平面)に変換します(テープ型といいます)。

当然そのときにゆがみやシワが出ます。

それを上手に処理することで、正確なパターンになります。



insideとoutside。



2次元にするときに、ゆがみを処理するために切込みを入れます。

この切込みでどれくらい開くのかをちゃんと計算に入れて次の工程へ。

つま先の部分も切り込みで開いています。



テープ型のinsideとoutsideを使ってパターンのスタンダードフォームを作成します。

当然にピタリ合うことはありませんので、その処理のうまい下手でパターンの制度が決まります。



あっという間にスタンダードフォーム完成。

このスタンダードフォームから、それぞれのパターンを作ってパターンが完成です。



ここまでは、簡単な作業のようで慣れが必要です。

今回はラストの調整をしていないので、ここまでの作業でだいたい実質40分ほど。

続きは、また次回に。



***お知らせ***

*採寸会オーダー会イベント@Rifareのスケジュールが決まりました。

 Rifare恵比寿店は、8月29日(土)と30日(日) 11時〜20時

 という予定になっております。

 ご都合が合えば、ぜひお近くの店舗にお越しください。



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| SREでサンプル作成 | 23:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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