2010.08.16 Monday
モンキーブーツの製作 その9
さて、その次はウェルティングに進みますが、その準備としてウェティングに使う糸を作ります。
この糸は、麻糸にチャンと呼ばれる松脂ベースのワックスを浸み込ませて作ります。
麻糸だけでは耐久性が良くないので、長期に亘って履いていただくために糸もそれなりの強度が必要になってくるのです。
また、ウェルティングでは手縫いでウェルトをリブに縫い付けていくため、糸の先に針が付いている必要があります。
イギリスでは、かつてイノシシの首の周りの毛を使っていましたが、今では入手することが困難になったため、ほとんど使われていません。
それに代わって使われているのが釣り糸です。
それでも釣り糸で作った針は名残で「ブリストル」と呼ばれています。
作り方はこんな感じです。
まず糸の先ですが、ブリストルを作る都合でチャンは塗りません。
糸は、先を細くするために撚りを戻してあげます。
そしてゆっくり引くと・・・
こんな感じになります。
そしてブリストルをねじって取り付けます。
こんな釣り糸が針になるなんて、初めは信じられないですよね。
でも、このブリストルは細い針穴でも結構自由に入っていってくれるので作業性は抜群です。
それに、しっかりと作ってあれば途中で外れてしまうこともありません。
考えた人は賢いと思います。
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